BOOSTER4 天使の施し (通常)

デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる。

きらきら〜

強欲な壺と並び、ドローカードの筆頭として活躍してきた遊戯王創成期のカード。
これまで強欲と入れ替わり立ち代り禁止←→制限を往復していたが、2007.3よりついに2大ドロー両方の禁止という環境が発足した。
今回はそんな、激動の時代を生きた天使にスポットを当ててみよう。

 

効果

デッキからカードを3枚ドローし、その後手札からカードを2枚捨てる。

このカードは3枚引けるが、3枚のカードを消費する。つまり、”手札増強”という意味合いは持たず、”手札入れ替え”という意味合いを持つ。
アドバンテージを直接とることはできないが、デッキの3枚先まで除くことができるのはメチャクチャ強力だ。
状況にあったカード(手札)をチョイスする幅が広がるというのは、手札が大きな意味を込める遊戯王にとって生命線とも言えるだろう。
私自身、天使の施しはほぼすべてのデッキに入る唯一のカードという認識を持っていた。

しかし、だからと言ってこの効果が特別なものであるとは思わない。
”ドローする”行為はどのカードゲームでも共通のものであり、そのドローを促す効果を持ったカードの存在も当たり前のものであろう。
そんな基本的なものを禁止にすることによって、遊戯王は一体どのような発展を遂げようとしているのか、私はそれが一番気になるのだ。

 

何故禁止になったのか

そこでまずこんなことを考えてみる。
私の禁止カードに対する考えは”時代に合わなくなった”ということなのだが、天使の施しはどのように”時代に合わなくなった”のだろうか。
そこには暗黒界の存在があるのではないかと考えた。
ご存知の通り、手札抹殺は暗黒界のトリガーとして機能するカードの1枚だ。暗黒界は最近のブームであったため、最近までこの組み合わせを利用していたプレイヤーも多いに違いない。
デッキに必ず入れるようなカードが暗黒界に対応しているのだから、暗黒界を使わない理由はないだろう。天使の施しは暗黒界のパワーの源であり、暗黒界は天使の施しのパワーの源でもあった。
暗黒界にも対応ドローカードとして暗黒界の取引が登場していたが、天使の施しが存在していたために前に出ることができなかったようだ。
暗黒界の強さを抑えるため、その他暗黒界に対応したカードの存在価値を高めるために天使の施しを禁止にした可能性は高い。

 

これからのドロー

では、これからどのように我々はドローするのだろう。 2大ドローが封印されている環境でなら、新たなドローカードが発売されることも考えられる。

例えば、ドローのパワーバランスを抑えたカード。

デッキからカードを2枚ドローし、その後手札からカードを3枚捨てる。

アドバンテージをマイナスにすることによりバランスを保つ。暗黒界の取引はこれに属する。対象となるプレイヤーを取れるようにしてハンデスとしても利用できるようにするとか楽しいかもしれない。

例えば、天使の施しの発動に誓約をつけたカード。

このカードは手札がX枚の時にしか発動できない。

場に特定の種族がいる時にのみ発動できる。

などなど。デステニードローや貪欲な壺はこれに近いといえるだろう。

こういったカードが登場するのか、はたまたチャカリ天使の施しが半年後によみがえるのかはわからない。 それよりもまずは、これまで目を向けることの無かったマイナードローカードたちに焦点を当ててみて欲しい。 今の環境はドローの重要性を再認識し、新たな価値観を構築する絶好のチャンスともいえる。もしかすると、2大ドロー禁止の真意はコナミのユーザーに対する挑戦なのかもしれない。