遊戯王☆SELF-DISINTEGRATION


MACVを使ってみる


<趣旨>
ヴィクトリー・ドラゴンデッキのひとつの完成体であるとされるMACV。今回はそのデッキを実際に使ってみることにする。
MACVはカタパ1キル依頼の完成度の高い1キルデッキと言われるが、その実態はどうなのであろうか。

<はじめに>
私はS−Dと呼ばれるデッキを紹介するデッキビルダーである以上、こういったデッキを嫌っているものと見られている方も多いのではないかと思う。確かに1キルは他人と交流する上で使うべきではないと考えている。
だが、デッキ構築論の一部に記載しているようにその存在自体を否定しているのではない。こういったデッキを使ってみることはカードの切り盛りの仕方を学ぶこともできるし、その実態を自分で理解することによってその対策を考えることもできるからだ。
S−Dデッキサンプル内にカタパONEキルといったデッキという批難デッキも私自身がカタパ1キルの性能を理解していなければ作ることができなかったものである。
とにかく、デッキを見る前から拒否するのではなく、特徴を知ることもまたレベルを上げる第一歩なのだ。そのなかで使えるものは盗んでしまえばよいのである。

<製作経路>
このデッキに関しては私のオリジナルではないため、世間で流れているサンプルデッキを使用することにする。
ほんとのことを言えば私の手でいじりようがない、いわゆる完成体が出来上がってしまっているということであるが。


モンスター 魔法
上級
ヴィクトリー・ドラゴン

下級
サイバーポッド
闇の仮面
カオスポッド
メタモルポット
聖なる魔術師
 

ご隠居の猛毒薬
ハリケーン
打ち出の小槌×3
王家の神殿×3
強欲な壺
死者への手向け
手札抹殺
成金ゴブリン×2
浅すぎた墓穴×3
太陽の書×3
墓穴の道連れ×2
鳳凰神の羽根
魔法石の採掘×3
血の代償
砂漠の光×3
八汰烏の骸×3
無謀な欲張り
竜の血族
 

<最初の見解>

まず目に入るのはモンスターの少なさだ。これを見るとヴィクトリー・ドラゴンを召喚できるのか不思議に思ってしまう。1キルである以上後攻1ターン目で相手のライフを0にしなければならないわけだが大丈夫なのだろうか。
見た感じ、ポッド系を使いまわしてデッキを回すのだということは理解できる。
また、魔法、罠にもデッキを回すカードがふんだんに仕込まれているため、なんとなくではあるがプレイング方法が見えてきた感じがする。

<デッキ解説>

さて、ここからは私の上の感想を忘れて、ある程度のデッキ解説を使用順に盛り込むことにする。

1、サイバーポッドの使い方
このカードはデッキ圧縮に使われる。その目的は『デッキからモンスターを無くすこと』である。関連カードは
太陽の書及び浅すぎた墓穴。これを使い何度もひっくり返すということだろう。そのために魔法を再利用する採掘が入っているのも納得できる。

2、デッキからモンスターがなくなったら・・・
王家の神殿カオスポッド聖なる魔術師闇の仮面砂漠の光がキーカードとなる。
まず場に
カオスポッド聖なる魔術師闇の仮面を裏守備でそろえる。次に神殿下砂漠の光を発動。
砂漠の光によって3枚のモンスターがリバースし、各効果が発動する。
この場合のそれぞれの対象は・・・

闇の仮面砂漠の光
聖なる魔術師適当な魔法

とのことである。デッキにモンスターがこの3枚しか存在しないため、
カオスポッドの効果でこの3枚がフィールドに再び裏守備でそろうことになる。あとはこれを繰り返していく。

3、
ご隠居の猛毒薬
ヴィクトリーで攻撃し、ライフを0にするためには相手のライフを2400以下にしなければ始まらない。それを行うのがこのカードである。上のループによって何度でも使うことが可能というわけだ。

4、2400以下になったら・・・
相手のライフが2400以下になると、
血の代償および竜の血族を使用してヴィクトリーを召喚。ダイレクトアタックで勝利という流れである。

5、モンスターを場に3体揃えるには・・・。
モンスターを場に3体揃える。それはもちろんヴィクトリーの効果に則ってのことだ。
上のループ時には場に常に
カオスポッド聖なる魔術師闇の仮面が存在している。竜の血族の効果を適用させるためにはモンスターを表にしなければならない。聖なる魔術師闇の仮面はリバースしても問題はないのだが、カオスポッドをリバースするとまたすべて裏守備である振出に戻ってしまう。つまり、カオスポッド以外の表側表示モンスターがもう1体、必要になるのである。
そこでこのデッキでは
鳳凰神の羽根を使うことになる。これによって墓地にあるモンスターをデッキの一番上に戻すのだ。そしてドローカードを使用し、そのカードを手札に持ってくる。
後はそのモンスターを表側攻撃表示で召喚してやればよいのである。
同じような使い道に
死者転生も見受けられる。

<後の見解>

書くのは簡単だが、実際には相当難しいデッキであることが見て取れる。私も対CPUで奮闘したが、かなり手際よくがんばらないと1キルにいたらない。
使う前は「1ターンでマッチ勝利なんてカードゲームじゃねえよ」なんて考えていたが、使ってみると別の意味でほんとにカードゲームじゃない。もう、『ヴィクトリー』とかネーミングして独立した戦略ゲームにでもしたほうがいいんじゃねーかと思ったほどである。慣れというのもあると思うが、とにかく一朝一夕で使いこなせないデッキということがわかった。
おそらくこれならば流行るということもないだろう。なにせ、かなり頭を使うデッキである。ある程度熟知しているプレイヤーならいざ知らず、自発性がないプレイヤーはとっとと地道に1回ずつ勝っていくデッキに変えたほうが楽ではないかと思われる。


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