VB09−JP002

封印の黄金櫃
自分のデッキからカードを1枚選択し、ゲームから除外する。発動後2回目の自分スタンバイフェイズ時にそのカードを手札に加える。

ヤツ等が黄金の櫃を飼ってるって?

その名は黄金櫃。原作ではアテムをあの世に葬り去る切り札カードの名に恥じない、最高の効果を実現しています。

かつて連ハン時期にみられたタイムカプセル。ピンポイントで天使の施しといったカード を引っ張り出すことができるその効果は非常に注目されました。
しかし、タイムカプセルは場で破壊されてしまうとキーカードが裏側除外されたままになってしまうという欠点があり、思ったようにカードを運ぶにはテクニックが必要とされています。

その上位互換であるこのカードは、タイムカプセルを使用する際に欠点となっていた成功率をグンと引き上げ、誰でも簡単に好きなカードを手にすることが出来るようになりました。

 

環境変化

「好きなカードを簡単に手にすることができる。」 このことによって環境は確実に変化します。
我々のようなマニアックなデッキを使う人間にとっても、通常のデッキを使う際にも多大なる影響力を及ぼすことになりそうです。

一つはキーカードのサーチ。テーマデッキにとってキーカードとは勝利より先にデッキとして動くために必要不可欠なもの。このカードがなかなか引けないばかりに何も出来ないまま負けてしまうということも多々ありました。
ところが黄金櫃があれば例えデッキに1枚しかないキーカードであったとしても、高い確率でゲーム中に使用することができます。2ターンのタイムラグといっても、その間相手の干渉を受け付けない除外に存在していることを考えれば大したデメリットではありません。
むしろ「安全に保管できる」といったほうが適切かもしれませんね。

そしてもう一つはデッキ「40枚」の黄金枚数の崩壊。キーカードを得るのにデッキをすり減らすことだけが方法ではなくなりました。
キーカードを引く確率を高めるために設定されていた最小枚数はショートカットの出現によって疑問が生じてきます。
これについては意見の分かれるところではないかと思いますが、サーチ及び黄金櫃によるデッキ圧縮が常備されることになれば、41〜42枚まで許容範囲と考えるに十分説得力を得るのではないでしょうか。

 

枚数

さて、そんな便利カード。デッキには何枚積むのが得策でしょうか。

グッドスタッフ系統のデッキには基本的に3枚積んで問題ないでしょう。「サーチするカードなんて天使の施しぐらいしかないやん」と考えている方もいるかもしれませんが、スタンダードは基本的に無駄を省くことを目的としたデッキです。圧縮、サーチを行うカードをデッキに積まない理由がありません。
フラットな状態でサーチしたいカードは少ないのかもしれませんが、ゲームとは移り変わるもの。その場その場で欲しいカードが確実に存在しているはずなのです。その際に的確なカードをサーチできるかどうかにプレイヤーのテクニックが問われることになります。

1キル系のデッキにも当然3枚積みは必須。「いや、初ターンで決めないと意味が無いからダメだ」なんて人は・・・いるのかな?

ファンデッキ系統のデッキにも3枚積みと行きたいところですが、実際には臨機応変に使い分けることが大切です。
確かにサーチによってテーマの成功率は高まりますが、その際に黄金櫃を3枚積んだ状態では、ただですらテーマ用のカードが多い上にカードを積むわけですから、基本的なカードのスペースが狭まって安全性が低下してしまいます。
上で明記したように許容範囲を広げるか、デッキのスペースと相談して櫃を投入していきましょう。

 

安全神話などない

有能なサーチカードも完璧なものではありません。相手も使ってくる可能性が高い以上対抗手段を準備しておく必要が生じます。

最も近いカードではネクロフェイスがその役割を担っています。
タイムカプセルは裏表示で除外されますが、黄金櫃は表表示で除外されるのでネクロフェイスのそれに該当します。
その他では封魔の呪印も積まれる黄金櫃に対して影響力が強そうです。

また、相手のサーチするカードが何かわかっていることもポイント。
相手がサーチしたカードから相手のデッキの種類を割り出すことができれば、早めに対策を取ることも可能でしょう。とはいえ、知られても止める手段がなければどうにもなりません。表側で除外することを完全なメリットとして受け取ることは止めましょう。

といっても、一度除外された魔法、罠に対する処置を施すことができるカードは現時点ではまだまだ・・・といった段階ですね。

 


というわけで黄金櫃。ファンデッカーとして期待も多いのですが、不安も大きく。私としてはいろんなデッキで使っていきたいところなのですが、あまり流行ると批判という変な立場に立たなければならなかったり。
唯一の救いはこのカードに状況によって考えさせる力があることかな。