ざびえる
レベル4アタッカーモンスターの極みこそニュート。そんな時代が確かに存在した。
ジェミナイエルフなどの1900バニラが活躍していた一方、攻撃力の高いレベル4効果モンスターは非常にお粗末な扱いを受けていた頃の話だ。
初期攻撃力こそ2000という、魅力的な数値をたたき出せても実用性はゼロ。そんな効果モンスターばかりだった中で、やつは世に登場することになる。
ジェミナイエルフと同じ攻撃力を誇っている上、デメリット無しの効果を2つも携えている。これは当時としても革命的なことだ。
秒殺の暗殺者?味方殺しの女騎士?女邪神ヌヴィア?ボアソルジャー?それってなんですか?みたいな。
だが、その革命的なカードには大きな弱点があった。それは・・・”ゲームにランダム封入されている1枚”ということだ。その希少価値性から、当時手に入れることができなかった人も多いのではないだろうか。
それから数年後、長い絶版を破り、彼はストラクチャーデッキで再び世に現れることになるのである。
だが、戻ってきた環境で、彼は力を発揮することはできなくなっていた。レベル4通常モンスターが2000の大台を迎え、死霊騎士デスカリバー・ナイトという、より実用的な攻撃力1900アタッカーが登場し、何より、”風属性悪魔族”というマイナージャンルは需要がなかった・・・。
もう少しリバイバルが早ければ、もっと話題になり活躍できたのかもしれないが・・・今見ると実に不憫なカードである。
ニュートはニートになっている間にそのポジションを多くのカードに奪われていったのだ。
効果
◇リバース:このカードの攻撃力・守備力は500ポイントアップする。
ニュートの強さ。それはこの独自のパンプアップ能力である。リバースを介するため、光の護封剣など特定の状況でしか能力を発揮することはできないが、単体で、それも永続的に攻撃力2400を誇れるモンスターは現在でも数少ない。
当時ではサイコショッカーとガチンコ勝負を挑むことができた。
◇このカードを戦闘で破壊したモンスターの攻撃力・守備力は500ポイントダウンする。
先の効果が攻撃用の効果である一方、こちらは防御用の効果。例えパンプアップがタイミング的に失敗し、上級モンスターに裏表示のまま破壊されてしまったとしても攻撃力を下げ、次のターンでの逆転の布石にすることができるのである。
何と言おうか、器用貧乏という言葉に近いのだろうか。
この2つの効果を今の感覚で検証すると、どちらも攻守の数値を基準とした、時代背景に特化したものということがわかる。
現在の環境にそぐわなくなってしまった、それがこのカードのポジションが無くなった一番の理由なのかもしれない。とは言え、いかんせん強力なことに変わりはない。使えば必ず期待に答える働きをしてくれるはずだ。
風属性関係のデッキはもちろん、グッドスタッフ系のデッキで選択肢の一つとして候補にあげておくといいだろう。