制限カードの意義とは?

遊戯王にとって制限カードを設ける意味とはなんだろう? 今回はそのことについて他のカードゲームの事情と交えながらお話しよう。

 

制限カード

遊戯王では半年に一度、制限カードが改訂される。制限カードには1枚も入れることができない禁止カード、1枚入れることのできる制限カード、2枚まで入れることのできる準制限カードが存在しており、公式試合などではこの制限によってデッキが構築されることになる。

この制限の大きな意味は環境を潰すことにある。どうして環境を潰すのか、それはゲームのマンネリ化を防ぐためだ。ゲームがマンネリ化するということは誰もが同じようなデッキを使用し、誰もが同じ戦法で戦い、誰もがその状態に甘んじて別の方向へと開拓を行わなくなるということ。

他のカードゲーム、例えば遊戯王の元になったといわれるマジック・ザ・ギャザリングならば新しいエキスパンションブロックが登場するごとにスタンダード環境で使用できるカードが入れ替わる。
しかし、常にすべてのカードを使用することができるエターナル環境がデフォルトとなっている遊戯王では一度登場したカードは外部干渉が無い限り永遠にゲームに君臨し続けてしまうのだ。
これはカードゲームにとって非常に致命的な状態だ。カードゲームが単純な、例えば先に”あるカード”を召喚したほうが勝ち、みたいな状態になってしまうと、もはや”カードゲームの面白さ”はそこには存在していない。

流行を潰すことによってプレイヤーは新たなる方向性を考え、工夫し、新たなカードゲームの面白さを構築する。遊戯王にとって制限は必要不可欠のものといえる。

制限で遊ぶ

制限カードはただただ存在しているだけではない。半年に一度制限改訂される遊戯王だからこその楽しみ方があるはずだ。

遊戯王の大きな問題点はカードが少ないということだ。特に最近では復刻されるパックも無くなり(明らかに売り上げの影響だと思うが)、遊戯王の期ごとのブロック構築(※1)は不可能になってしまった。

そこで登場するのが制限構築だ。その環境で登場していたカードのみを使い、その環境の制限でデッキを構築する。
そのときの環境がどのようなものであったのか、そのときの環境でどのようなデッキが流行っていたのか、非常に勉強になる遊戯王の楽しみ方である。禁止カードが使えないと嘆いている人も制限構築を活用すればカードをフル活用することが可能だろう。

また、構築環境の違うデッキ同士で戦ってみるのも面白い。制限改訂によって強力カードが行き来する遊戯王だからこそこのスペシャルカードは成り立つと言える。開闢混沌と3Fなんて聞いただけでそそる話だ。

このように、何気なく変化していく制限もブロックとして考えることで改訂後も活用することができる。
私は、決闘者には過去の制限だけでなく存在するあらゆるものも活用して遊んでもらいたい。それがテクニックを磨く手段にもなるはずだ。

(※1)第X期のカードだけでデッキを構築するとか、そんな感じ。