最強のカオス
第3期は数多くのリメイクカードがリリースされたが、その中でもっとも暴れまわったカードは?と聞かれれば、誰もがこのカードの名を挙げるだろう。このカードには”大会をスムーズに進行させるために圧倒的なパワーカードを作った”などの逸話もあるほどだ。
かく言うS-D理論もこのカードの否定から始まっているのは間違いない。そんな中作成された当時の考察ではかなり捻くれた見解を行っている(後述)が、長く禁止カードとなっている今、改めて正常な視点でも考察する意味が生まれたと判断し再考察を行う。
効果
◇このカードは通常召喚できない。
◇自分の墓地の光属性と闇属性モンスターを1体ずつゲームから除外して特殊召喚する。
特殊召喚方法はカオス・ソーサラーと同じ。一度正常に特殊召喚を行えば死者蘇生などで蘇生させることができる。相手の墓地に存在する開闢を蘇生させれば一気に形勢が逆転できるため、最終的にいかにこのカードを支配できるかが勝敗に大きく関わることになる。
皿との違いは、戦士族であるため戦士の生還で墓地からの回収が容易ということだろう。当時は1ターン目から苦渋の選択で素材と共に一気に墓地に送られていた(さらにその中には混沌の黒魔術師やキラー・スネーク
が含まれているという・・・)。もう何を選んでも駄目な気がしたもんだ。
◇自分のターンに1度だけ、次の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●フィールド上に存在するモンスター1体をゲームから除外する。この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃する事ができない。
攻撃する代わりにモンスターを確実に除外する能力。皿と似ているが、こちらは裏側表示まで対象にできる分性質が悪い。デッキによってはこの能力をメインに使用するために最初から守備表示で召喚し一切攻撃を行わない、という戦術も使われていた。
当時の自分は過去の記述を読み返す限りかなり嫌っていた模様。
●このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、もう1度だけ続けて攻撃を行う事ができる。
このカードが極悪フィニッシャーたる由縁。パッとでてきた攻撃力3000のモンスターがなぜか連続で攻撃してくるのだから、それまでどれだけゲームを優位に進めていたとしても全く関係なく負けてしまう。終盤のお互い消耗しきった状態でならなおさらだ。実際、混沌帝龍 -終焉の使者-で敗北するよりもこのカードで負けた経験の方が圧倒的に多い。
現在ではオネストが存在しているため、さらに驚異的な破壊力を持っていると考えられる。このカードを現在に呼び戻したらどうなるだろう、なんて考えたこともあるが、やっぱりダメだわ。
継承
開闢禁止後、何度か能力を受け継いだシリーズが展開されている。
◇破滅の女神ルイン
◇天魔神 エンライズ
デッキ構成
デッキサンプル:
モンスター |
魔法 | 罠 |
---|---|---|
上級 カオス・ソルジャー−開闢の使者−×3 ダーク・アームド・ドラゴン ガーディアン・オブ・オーダー |
サイクロン 闇の誘惑 異次元からの埋葬 月の書×2 原初の種 光の援軍 戦士の生還×2 増援 大嵐 地割れ 地砕き |
トラップ・スタン×2 リビングデッドの呼び声 激流葬 聖なるバリア−ミラーフォース− 奈落の落とし穴×2 |
下級 ライトロード・パラディン ジェイン ライトロード・モンク エイリン×2 魔導戦士 ブレイカー×3 D-HERO ダイヤモンドガイ 終末の騎士×2 BF−疾風のゲイル オネスト×3 ネクロ・ガードナー×2 |
以下初期考察時のコラム
開闢依存になりたくないと思い続けてきましたが、ついに私自身もその危機が!! なんてことはないのでご安心を。
いざこのカードを使ってデッキを作ろうとすると、どういったデッキにしようかと逆に思い悩んでしまいました。私らしい開闢の使い方は何だろう?S-Dなら光と闇を一体も入れないでアンティ勝負なんてしかける皮肉なデッキが作れるのですが・・・。
通常デッキを作るとなると、光と闇で足を揃えることが前提となるのでどんなに工夫したとほざこうが似たり寄ったりになるのは確実なので・・・。そんなわけで今回のサンプルはへたれっています。
旧デッキサンプル:
モンスター |
魔法 | 罠 |
---|---|---|
上級 カオス・ソルジャー−開闢の使者− |
いたずら好きな双子悪魔 サイクロン 強奪 強欲な壺 光の護封剣 戦士の生還 洗脳−ブレインコントロール 早すぎた埋葬 増援×2 大嵐 団結の力 天使の施し 魔法効果の矢 抹殺の使徒 |
リビングデッドの呼び声 激流葬 時の機械−タイム・マシーン− 邪神の大災害 聖なるバリア−ミラーフォース− 破壊輪 和睦の使者 |
下級 怒れる類人猿 D.D.アサイラント 激昂のミノタウルス×2 同属感染ウイルス 魔導戦士 ブレイカー 異次元の女戦士 白い忍者 コマンド・ナイト×2 一撃必殺侍 異次元の戦士 荒野の女戦士×2 ならず者傭兵部隊 クリッター ミスティック・ソードマン LV2 |
荒野のネーちゃんを使ったデッキを自分用に作りたいと思い悩んでいるので、そこからデッキを展開していきました。呼び出せるのは一撃必殺侍やコマンドナイトといった明らかに混沌と関係ないものばかりです。
もうこのデッキの意図はわかりますね?このデッキ光属性が異次元の女戦士、白い忍者、闇がクリッター、魔導戦士
ブレイカーしかないんです。こうして開闢ギミックを最小限に抑えることで他の自由を利かせるようにしましたが・・・上で書いたとおりこんなものへたれです。腐っても開闢は開闢・・・難しいですね。
総まとめ
よくカオスとノーカオスの違いとか、どちらが強いとかうんたら語られることがありますが、まず私の結論では一般に言うノーカオスは存在しません。一般にノーカオスと呼ばれるのはスタンダード(基準)のことであり、その他大勢のデッキコンセプトのことを指すわけではないのです。この時点でこの部類分けは根本的におかしいですね。
この強さの対比についてですが、そもそも何の戦術もないスタンダードがカオスに勝つこと自体おかしいのです。もしくはスタンダードをテーマデッキと比べることは間違っているといいましょう。
私はカオスをその他テーマデッキの一つ(マジシャン、ビーストなど)として考えています。そしてそれらのデッキは全てスタンダードから発展しているもの、独立しているものと認識しています。
このことから「開闢スタン」という言葉もおかしいものなのだ、としておきましょう。本来スタンとは全てのベースなのですから。
このようにカオスをわざわざ神聖化しない(ビーストとノービーストなんて仕分けはそもそもないですよね)ことが世の中全体の弊害をなくす第一歩になるのではないかと思います。